壊れかけのラジオ、ならぬ、壊れかけの大ピアニストと言われたホロヴィッツ。バブルの上り坂だったでしょうか、ピアニストの演奏会としてチケット料金は高すぎたかも知れません。ホロヴィッツのマネージメントがどういう要求だったのかは分かりませんけれども、ホロヴィッツ自身のピアノを演奏会場で使用する条件をクリアするために日本招聘側のコストも大きかったことは確かでしょう。
演奏会までの段取りがどうだったのか。老ピアニストの体調がどうだったのか。物珍しい日本の風がどうだったのか。演奏前にインタビューやらプレスやらと、煩わせるものも多かったでしょうね。例え演奏会が夢のごとし上首尾だっても、チケット料金の話題は小さくなかったんじゃないかしら。