2010年10月30日土曜日

狼は天使の匂い LA COURSE DU LIEVRE A TRAVERS LES CHAMPS ...AND HOPE TO DIE

暗い金曜日。という本が原作。映画「狼は天使の匂い」は1972年の仏映画で、日本では1974年に劇場公開されました。ギャングを働くために集まった男たちと2人の女性の物語だけれども、原作付きだというところがトーンを抑えたドラマ展開になっているのかも知れません。洋画を見るようになった小学高学年の頃から抱いていた印象が、原作を元にした映画作品は展開がもそもそとしてて、見入っていると身体がほてってくる感じがするってこと。

音楽はフランシス・レイ。テーマ曲はすぐに浮かんでこない印象に薄いけれども、聴けばジンと胸を打ちます。フランシス・レイの音楽のような映画音楽を感じられなくなって、久しい。日本映画にも随分と影響を与えていたようだけれども、DNAは何処かに眠っているのかなぁ。映画の音楽にポップスやロックが使われるようになってから、いわゆる「映画音楽」というジャンルは身を細めてしまっているように感じます。わたしは今でもロマンティックな映画を観る時には、フランシス・レイの音楽のゴーストを追っています。。

 

映画の仏原題は「兎は野をかける LA COURSE DU LIEVRE A TRAVERS LES CHAMPS ...AND HOPE TO DIE 」。クライマックスの銃撃戦の中で黒いスーツの男たちの中でぬいぐるみを抱いた少女が、ラメ入りのドレスで一緒に闘う光景は幻想的としか言い表しようがないみたいです。この少女が野をかける兎のようでした。ジャン=ルイ・トランティニャン(トニー)とロバート・ライアン(チャリー)の2人の名優が渋く、少年時代の友情を守りながら孤立した山荘に追い詰められていく、フィルム・ノワール。1960年代のジャン・ギャバンなどのクールさはなくて、1974年2月公開という叙情感漂う一編。観ている間は心地良い空気感が漂っているんだけど、終わってみるとあちらこちらは他の映画と似ているようなシーンと比較しがち。2人の少年時代の場面を織り込んでいるようにルネ・クレマン監督が、1960年代を邂逅しているような印象だけが残りました。

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