2010年7月14日水曜日

バロック音楽は最も艶っぽい。ヴィヴァルディの「四季」から第1楽章

ヴィヴァルディの四季をどういう想いで聴いていますか?きっと、クラシック音楽を鑑賞するという感じではないでしょう。ヴィヴァルディの四季をはじめバロック音楽を、お行儀よく聴いているリスナーは居ないでしょう。

宗教音楽はお行儀よく聴かなければいけません。ミサ曲や、カンタータだけではなくて宗教的な音楽はオペラにもある。ワグナーのパルジファルはオペラとは言っても、正式には「舞台神聖劇」とワグナーが名付けているように第一幕では王様の苦悩、これはイエスの死と重ね合わされても居るものですから幕が下りても拍手をしてはいけないようになっています。オペラだけでなくてオーケストラ曲でもマーラーの交響曲には演奏が終わった指揮者が客席に合図をしたら拍手をして良いと言うことがあります。

時に音が途絶えた途端に拍手をする日本の聴衆がひんしゅくを買うことがありました。拍手をしても「ブラボー」などと発してはいけない音楽があること、プログラムには書いてないことだけど音楽の内容を考えれば分かるでしょう。と言うものです。

音楽は神様へ願いをするために教会で演奏されるようになってから、民間の間では演奏会などを行ってはいけない定めがあった時代がありました。音楽は教会の活動となって、音楽を演奏するのは教会に属した施設の独占となっていたのがヴィヴァルディの時代です。

ヴィヴァルディの別称に、赤毛の司祭とあるようにヴィヴァルディは女の子ばかりを養護した施設で神の教えよりも音楽の練習に熱心でした。ヴァイオリン協奏曲集「四季」も、養護施設の女の子ばかりで演奏するために作曲されました。

協奏曲第1番 ホ長調、RV.269「春」(La Primavera)

第1楽章 アレグロ

Giunt’é la Primavera e fertosetti (春が来た。小鳥たちは嬉しそうに歌い、)

La salutan gl'Augei con lieto canto (春に挨拶する。)

E I fonti alle spirar de’ Zeffiretti.  (西風のやさしい息吹きに)

Con dolce mormorio scorrono intanto: (泉はやさしくざわめきながら流れ出す。)

 

Vengon’coprendo l'aer di nero amanto (黒雲が空を覆い、春を告げるため)

E Lampi, e tuoni ad annuntiar la ellentti (稲妻と雷鳴が選ばれたものとしてやって来る。)

Indi tacendo questi, gl’Augelleti; (しかし嵐が静まると、小鳥たちは再び)

Tornan' di nuovo al lor canoro incanto: (魅惑に溢れた歌を聞かせる。)

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