大作曲家と言われているのに、歌劇が3作品と数曲の宗教曲、そして世俗歌曲が主に残っているだけという作曲家がいます。それは、クラウディオ・モンテヴェルディ。この名前だけでも覚えておいて欲しい作曲家です。クラシック音楽は1600年以降の音楽に対して一般的には使用します。これ以前の西洋音楽はルネッサンス音楽と称していて、楽器はどちらかと言うと歌を彩る程度の演奏法でした。音楽は歌にはじまったと言う事ですね。
そして歌物語が発達したのがバロック音楽時代の歌劇。総合演劇という趣で、雑多な様式の舞台作品でしたがモンテヴェルディは、それまで単線律の伴奏で装っていた音楽に「ヴァイオリンの合奏」を取り入れました。演奏法もトレモロ奏法で劇を効果的に演出。これが当時勢力を強化し始めた諸侯が自慢し合うためにオーケストラを抱えるようになって、それにあわせた音楽を書くようになっていって現在の大オーケストラがゴージャスな演奏で聴かせるオペラとなりました。
クラシック音楽史で最初の芸術作品と言われているのが、モンテヴェルディの歌劇「オルフェオ」。1607年の初演でした。この時にクラシック音楽は今のスタイルになりました。歌劇「ウリッセの帰還」はそれから34年後の作曲で、モンテヴェルディの音楽の総決算的大作です。ドラマの筋立てが動向と思うことなく、音楽だけをバックグラウンドに聴いているだけでも良い音楽で最高の環境音楽にも活用できます。アンビエント効果抜群。きっと、お肌のエージングにも反映すると思いますよ。(写真はモンテヴェルディのヴァイオリン)
▽モンテヴェルディの歌劇“ウリッセの帰還”ほか 「歌劇“ウリッセの帰還”」 モンテヴェルディ作曲
(プロローグ・第1幕:1時間00分57秒)
(第2幕:53分38秒)
(第3幕:29分16秒)
ウリッセ…(バリトン)フリオ・ザナージ
ペネーロペ(ウリッセの妻)…(アルト)サラ・ミンガルド
テレーマコ(ウリッセの子)…(テノール)ルーカ・ドルドーロ
アンティノオ(ペネローペへの求婚者)…
(バス)サルヴォ・ヴィターレ
ピサンドロ(ペネーロペへの求婚者)…
(アルト)アンドレア・アリヴァベーネ
アンフィーノモ(ペネーロペへの求婚者)…
(テノール)ジェレミー・パルンボ
エウリーマコ(ウリッセの従僕)…
(テノール)ラッファエーレ・ジョルダーニ
イーロ(求婚者にへつらう男)…
(テノール)ジャン・パオロ・ファゴット
メラント(ペネーロペの侍女)…
(ソプラノ)モニカ・ピッチニーニ
エリクレーア(ウリッセの乳母)…
(メゾ・ソプラノ)エレナ・ビスクオラ
エウメーテ…(老羊飼い)…
(テノール)ジャンルーカ・フェラリーニ
ジョーヴェ(神々の神)…(テノール)ジェレミー・パルンボ
ネットゥーノ(海の神)…(バス)サルヴォ・ヴィターレ
ミネルヴァ(知恵の女神)…(ソプラノ)モニカ・ピッチニーニ
ジュノーネ(ジョーヴェの妻)…(ソプラノ)アンナ・シンボリ
人間のはかなさ…(アルト)アンドレア・アリヴァベーネ
時…(バス)サルヴォ・ヴィターレ
運命…(ソプラノ)モニカ・ピッチニーニ
愛…(ソプラノ)アンナ・シンボリ
(演奏)コンチェルト・イタリアーノ
(指揮)リナルド・アレッサンドリーニ
~フランス・ボーヌ ノートルダム教会で収録~
<2010/7/2>
(ラジオ・フランス提供)
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