2010年12月5日日曜日

12月7日の名言:諸君!脱帽したまえ天才だ・・・Yulianna Avdeeva さんの日本デビュー演奏が本格的冬を迎えた日本の寒い夜を熱くした!!

諸君、脱帽したまえ天才が現れた!・・・ショパンを以て、シューマンに言わしめた称賛の言葉です。このシューマンの一文でポーランドから大都会ウィーン、音楽の都パリに出てきたばかりの青年ショパンは華々しく紹介されました。シューマンは続けます。「ショパンは大編成のオーケストラを率いてはいないが、居並ぶ楽器を駆使し、あるときはベートーヴェンのような豪胆さを、そしてシューベルトのような優しさを、またフィールドのような曲想をも聴かせ、そこにポーランドという独特の国民性を加え、それによって、そのコンチェルトは独自性をとりわけ強くしている」と。ショパンの「ピアノ協奏曲」のオーケストラが演奏する音楽は、ベートーヴェンがピアノ協奏曲に求めたシンフォニックなハーモニーからすれば聴き応えとしては物足りないかも知れません。確かに演奏をしている楽団員も、同じ音を伸ばすばかりで練習も面白みがないだろうし目立った活躍も出来ないので気合いが入らないかも知れません。でも、ピアノ独奏者の音楽が立派な主役であるならば共演者としての喜びは素敵な想い出になる事でしょう。

シューマンのこの有名な”諸君、脱帽したまえ、天才だ!”と表現した論説が発表されたのが「一般音楽新聞」(allgemeine musikalische Zeitung)の1831年12月7日号でした。

第16回国際ショパンコンクールで優勝を飾った Yulianna Avdeeva さん。ユリアンナ・アヴディエヴァさんと表記をわたしはひとまずしています。が、来日演奏会が行われた今でも様々に表記されています。しゅーまい、しょくぱんと名前で遊ばれているシューマンとショパン。幕末の龍馬たちがが依頼の言葉を耳にしたままに言葉にしていたように、聞き伝えで「ちょぱ」で定着していたら人気の程はどうだったのでしょうね。クラシックの作曲家、演奏家には日本語での発音の仕方でも人気や憶えられ方には違いが出てくるように思います。

12月4日、金曜日の早朝。プラスティックゴミを出すために玄関を開けたら庭から表の通路にかけて、緑のカーペット。早朝にかなり風が荒れたようです。枝がうち折られたような状態でした。日中は天気も良くて暖かでしたけれども、陽が沈むと休息に空気が冷たくてストーブでも室内が穏やかに感じられるようになるまでに深夜近くまでかかりました。日本全国的に冬突入の嵐に見舞われたようですね。そんな最中に来日したロシアの女性ピアニスト。とても熱いピアノを聴かせてくれました。

コンクールで優勝して日も浅く、それでも流石にNHK交響楽団との共演が発表されるとコンクール優勝の翌日には定期演奏会の予約は殆どが完売になっていて驚きました。NHK交響楽団にとっても嬉しい年の瀬になったのではないかしら。共演はいつから決まっていたものか、独奏者未定でプログラムだけが決まっていたのだとしたら楽団員は嬉しい共演になったことでしょう。FMで生中継された演奏を聴く限り、指揮者の声か独奏者の声かが一瞬大きくノイズのように聞こえる部分があります。

ちょうどアメブロのお友達が教えて下さったことによると、「さきほどNHKホールで聴いてまいりました。やはり優勝ほやほやだとハイレベルです。あらゆる点で完璧。1楽章で愚か者が携帯鳴らしたのは全国放送に乗ったのでしょうかね?」という事。第1楽章の終盤で、静かな音楽が終わって合奏で締めくくられる前に客席で音がしている感じはしましたが余程注意していないと分からない程度。わたしは何度も繰り返し聴いて、この箇所かなと思いましたがどうなのかしら。

NHKホールとはそういったもので、客席と放送に乗る音は随分と違うもののようです。こうした傾向は、ベルリン・フィルとサイモン・ラトルの録音が、ライヴ収録とそれをCD化されたものが違う演奏会のものかと思えたりするのに似ていますね。

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