クラシック音楽史に残るであろうプロジェクトの時間が迫りました。日本時間で午後10時50分から、「バイロイト音楽祭のワルキューレ」がテレビで世界初の生放送。
バイロイト音楽祭は、作曲家ワグナーがドイツのバイエルンに建設した歌劇場で7月、8月の夏の期間だけ行われます。上演されるのはワグナーが作曲した10作品だけ。「さまよえるオランダ人」、「タンホイザー」、「ローエングリン」、「トリスタンとイゾルデ」、「ニュルンベルクのマイスタージンガー」、「パルジファル」。それに「ニーベルングの指環」としてセット上演される「ラインの黄金」、「ワルキューレ」、「ジークフリート」、「神々のたそがれ」です。
ゴージャスで絵巻物語りのような「ラインの黄金」と、作品の神の主人公英雄ジークフリートの成長と神々の手から人間の手に世界が受け渡されるまでを描く「ジークフリート」と「神々のたそがれ」の前後編の間に位置した「ワルキューレ」は動きとスペクタクルがいっぱい。第3幕の序奏と第一場にあたる「ワルキューレの騎行」はよく聴かれる音楽ですね。
ただ1人の作曲家の作品だけを上演する歌劇場の音楽祭。「バイロイト詣(もうで)」という言葉があるほど、オペラ・ファンが一生のうちには行ってみたいと思っているほどチケットは何年も先まで予約で埋まっています。「詣」と言われるほど観劇には覚悟が必要です。覚悟と言っても命を奪われるという事はありませんけれども、歌劇場は山の奥の方にあるので周囲には宿泊施設も少ないと言います。そして歌劇場の設備、教会の椅子のように木製の長いす。クッションなどはありません。慣れた人はお尻に敷く物を持っていくのだとか。
長いすなので1人勝手に席を立つこともまま成りませんよね。そして上演時間の長さ。ワルキューレはCD4枚組と言えば、分かり易いですね。
第1幕、約1時間。
第2幕、約1時間30分。
第3幕、約1時間15分。
これは放送で観られることは大歓迎だ!とハッキリ成りそうですけど、各幕の間の休憩時間が90分はありますからはたしてその間が持たせることが出来ますやら。
放送は午後10時50分から、翌朝の午前5時過ぎまで。