艶、音色を損なわないで40年、50年の間良い状態であるレコードも稀少な事ですが、SQ録音盤で艶も音色も満足できるのは優秀録音で慣らしたレーベルでこそ可能な事だと思います。ステレオ録音でも左右のスピーカーの間に音が並んだだけの録音もありますよね。ただ、音がグルグルと頭の周りを回っている居心地の悪い録音は、今でも時に出逢う事があるのが残念です。
録音セッションの時にマイクの位相が違っているのを、最初のレコードをリリースする際に修正してカッティングしたというのに、オリジナルテープ重宝主義で位相がおかしい音に戻して再発売されているものも時にあるようです。この録音セッションの時のマイクの位相がおかしくなる事は、優秀なセッティングをしていても時として起こる災難のようなもの。録音本番前に急きょ追加したり、オーバーダビングをしたりした時に起こるようです。
オーケストラのようなたくさんの楽器が重なり合う録音と、ヴァイオリンとピアノといった二重奏の録音だとどちらが難関なのでしょう。
さて、SQ録音盤は2チャンネル再生では位相の変化が感じられるような聴こえ方をする事がありますけれども、コニサー・ソサエティ盤のこのレコードは違和感を全く感じさせません。