大奥の始まりに至る道のりを、鮮やかに華やかにオリジナルでドラマに仕上げます・・・という事で、2008年の大河ドラマ「篤姫」で脚本を書いた田渕久美子さんが来年、2011年の大河ドラマで描くのが女の物語。今年の「龍馬伝」が順調に放送をスタートした2月に既に来年1月からの放送のための撮影がスタートしていました。
幕末の群像の中で坂本龍馬に焦点を絞った今年のように、戦国時代の女たちの群像と言える浅井長政の3姉妹の次女、江(ごう)の視点から見た時代の動きを描いてくれそうです。開かれていた戦国から国を閉ざし、女たちは大奥に縛られていく時代は、幕末と対象的。海を渡った1人の芸子と比較してみるのも面白いですね。
良妻賢母とか、子供は母親が育てるという今では当たり前だと思い込まれている事が、明治、大正期に欧米文化を日本に取り込むという形で定着していったという事ですが1人の男の妻として生きるという意識は、江(ごう)の時代には奇異なものであった事ではないかしらとわたしは感じています。このあたりがどう描かれていくのかが、ドラマに登場する戦国、或いは維新以前の女性像への関心処です。脚本と女優さんの意識、観念のせめぎ合いも作品に出るところが強いと思います。そういうところは、信念と理想を追う男を主人公にするのとは違った難しさがあるのではないでしょうか。