2010年6月22日火曜日

子守歌 作品57

Lord Frederick Leighton - 'Mother and Child'

♬子守歌 変ニ長調 作品57 - Chopin - Berceuse In D flat major Op.57

1844年、ショパン34歳の作曲。自筆楽譜に命名された曲名は「変奏曲」。みんなの前で支援した後で「子守歌」という名前になりました。ブラームスの子守歌、モーツァルトの子守歌、フォーレの子守歌・・・色々あるから、胎教用や子ども向けに「子守歌集」といった企画もので選ばれやすくなっているのは良いところ。もしも「変奏曲」というタイトルのままだったとしたら、“子守歌”のイメージが固定されない演奏も聴く事が出来たかも知れません。

わたしはこの曲は「舟唄」と聞き違いそうになります。子守歌にはどれも安定感のある安心感があるのですけれども、ショパンの子守歌は危うさを感じませんか?地面の上、母の胸の中という感じではなくて水面の上に漂っている感じ。明るい光に見守られているのですけれども、何かがさらいに来る感じがします。この「子守歌」1曲だけだと落ち着かないので、一緒に「幻想曲」や「舟唄」を聴きます。例えば、「幻想曲」〜「子守歌」〜「舟唄」というセットで聴くのは聴後感が落ち着きます。ショパン・リサイタルのアンコールで3曲の中から2曲がチョイスされていることが多いのは、わたしが抱いている印象と同じなのではないかしら。曲はジョルジュ・サンドと子どもたちとの愛のノアン館での優しい生活が感じられますけれども、いつまでも永遠と続きそうだった“変奏曲”も翌年ノアンを離れざるを得なくなります。どこかそのような未来を予想して、自分の心を落ち着かせるための子守歌なのだったのかも知れませんね。

Lord Frederick Leighton - 'Mother and Child'
oil on canvas, c.1865, 48.2 x 82 cm
Blackburn Museum and Art Gallery

Posted via web from Chopin is Piano

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