今ではビートルズは英EMIの代名詞のような存在だから、こうした録音がEMI系列でリリースされることは良いことだと思います。ビートルマニアだったら、ポリドールやVictorからのサントラ盤もフォローはしているから良いものの、一般的にはリリース情報も見のがすことがないことは嬉しいことです。
でも、ちょっと待って!!
この『デッカ・テープ』は、タイトルの通り英DECCAでの録音であるところが、頭の隅に置いて聴かなければいけません。ドラムスがリンゴ・スターではないことも大切かも知れないけれども、EMIのスタジオではなく、EMIのエンジニアによる録音でもないところを聴き込みましょう。ドラムの奏法や、コーラスのはもりでも無くてDECCAからビートルズがデビューしていたら“ビートルズ・サウンド”として一般的にイメージされている音が、EMIからリリースされたレコードだから・・・と、感じられるんじゃないかしら。DECCAレーベルからリリースされるんじゃなくて、EMI/東芝EMIのリリース盤で聴く事が面白い体験をきっとできます。
『1962年1月1日月曜日、午前11時。大晦日の前夜から吹雪の中をロンドンまでたどり着いたビートルズは、ウエスト・ハムステッドのデッカ・スタジオでデッカの担当者マイク・スミスに待ちぼうけを喰らっていた。当時の英国では元旦は公休日ではなかった。徹夜の新年会で遅れて来たスミスはビートルズの持ち込んだアンプ類の使用を認めず、スタジオの機器を使い待望の『オーディション』は始まった。それは一般的に創造される生演奏を審査してのオーディションではなく、『権限のある』デッカ社内の人間に聴かせるためのサンプル・テープの録音であった・・・』
CDの帯にあるように、DECCA系の社風と言えるスタイルで今でもミュージシャンが録音したデモ・テープの持ち込みでリリースされる形は変わりません。クラシック音楽の演奏家であろうとロックであろうと同じです。それがヒットするとDECCAの録音スタッフがつくというものです。だからDECCAからデビューするアーティストのデビュー盤は面白い、と言うか録音面ではユニーク。中には再録音される曲もありますね。
The Beatles - The Decca Audition (1962)
Genre: Rock | Label: Parlophone/TOCP-6211 | 15 tracks | Release: 1962
Tracklist:
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1. Like Dreamers Do (2:39)
2. Money (That's What I Want) (2:26)
3. To Know Her Is To Love Her (2:38)
4. Memphis, Tennessee (2:23)
5. Til There Was You (3:02)
6. Sure To Fall (In love With Her) (2:04)
7. Besame Mucho (2:42)
8. Love Of The Loved (1:54)
9. Hello Little Girl (1:43)
10. Three Cool Cats (2:28)
11. September In The Rain (1:58)
12. Take Good Care Of My Baby (2:29)
13. Crying, Waiting, Hoping (2:06)
14. The Sheik Of Araby (1:45)
15. Searchin' (3:06)
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